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命中判定とダメージ計算

meda_formulas.html Last edited: 2012-07-01

目次

はじめに

この文書は、メダロット1の戦闘で攻撃(なぐる、がむしゃら、うつ、ねらいうち)をした時の、命中判定とダメージ計算の仕組みについて記したものです。

解説の内容は、作者が独自にメダロット(クワガタバージョン)の内部を解析した結果に基づくものですので、多くの誤りを含むものと思われます。また、はっきりと正確であることを確かめたものだけではなく、憶測を含めた記述も多々ありますが、基本的にそれらの区別はしていません。以下を読まれる方はその点について御理解をお願いします。

詳しく書くよう努めてはいますが、読者がメダロットの戦闘に関して、ゲーム中で説明される程度の知識を持っているということを前堤にしています。例えば、「脚部が破壊されると能力が半分になる」などといったことです。

成功度の計算

成功度の算出は、熟練度とパーツの「成功」の値が基本になります。熟練度は、毎ターン行動を選択する直前に、メダルの性格や相性に応じて補正されます。これを補正熟練度と呼ぶことにします。

+選択した行動に対応する熟練度
+メダルの相性の値×メダルと同じ属性のパーツ数 (壊れているものはカウントしない)
+性格が「攻撃」または「特殊」の場合、チーム編成や戦況に応じた補正が加わる(下述)

= 補正熟練度

補正熟練度の範囲は0〜255です。

上の二つについては一般に良く知られている通りで、説明の必要はないでしょう。三つ目の項にはメダルの性格が関わっています。性格の決まり方については、メダルと熟練度を参照して下さい。性格が「攻撃」、「特殊」の場合でそれぞれ補正の仕方が異なります。記述が膨らむため、これについては後のセクションで解説します。

行動を選択した後、メダが中央に到着した時に成功度が計算されます。上から順に計算されます。

+パーツの成功
+補正熟練度
+0〜7の乱数
÷行動メダが変動状態なら1/4にする。
+索敵による補正。(味方の索敵値†1 - 攻撃を受けるメダの脚部の隠蔽†2)÷4が加算される。この値が負になることはない。
-隠蔽による補正。(攻撃を受けるメダの隠蔽値†3 - 味方の索敵値)÷4が減算される。この値が負になることはない。
+「なぐる」なら、脚部の格闘を加算
+「がむしゃら」なら、脚部の格闘 + (脚部の機動÷2)を加算
+「うつ」「ねらいうち」なら、脚部の射撃 を加算
×対空/対水パーツを装備していて、相手の脚部タイプが飛行/潜水なら4倍にする。†4

= 成功度

脚部の能力は、脚部が破壊されているときにはすべて半分(切り捨て)になります。成功度の範囲は0〜255であり、計算のステップごとにこの範囲に収まるよう修正されます。また、除算はすべて切捨てです。これらは以降の計算式についても同様です。

回避と防御、ダメージ

成功度が算出されると、次は命中判定、防御判定、ダメージ計算に移りますが、この処理は一本道ではありません。攻撃を受けるメダロットがどんなペナルティを受けているかによって、4通りに分岐します。

まず、4つの処理へどのような条件で分岐するかを示します。分岐は、攻撃を受けるメダロットの状態に応じて、以下のように決まります。

攻撃を受けるメダロットが防御も回避もできない場合(がむしゃら使用後)
必ずクリティカル処理をします。
攻撃を受けるメダロットが防御のみ不能な場合(なぐる使用後)
必ず防御不能処理をします。
攻撃を受けるメダロットが回避のみ不能な場合(ねらいうち使用後)
必ず回避不能処理をします。
どちらも可能な場合
この場合は必ずしも通常処理となるわけではなく、少し複雑です。 どの処理が適用されるかは、攻撃を受けるメダの壊れているパーツ数メダルの性格によって決まります。メダルの性格の決定方法についてはメダルと熟練度を参照して下さい。 以下に分岐の確率を示します。
 壊れているパーツ数
性格  0123
攻撃 防御不能処理:50%
通常処理:50%
防御不能処理:25%
通常処理:75%
通常処理:100% 通常処理:100%
防御 防御不能処理:25%
通常処理:75%
通常処理:100% 通常処理:100% 回避不能処理:25%
通常処理:75%
特殊 通常処理:100% 通常処理:100% 回避不能処理:25%
通常処理:75%
回避不能処理:50%
通常処理:50%

「なぐる」「がむしゃら」「ねらいうち」以外の行動をした場合でも、防御や回避が出来ないパターンがあるということに気を付けて下さい。例えば、メダルの性格が「攻撃」でパーツが一つも壊れていない場合、特にペナルティが無くても50%の確率で防御不能となります。

次に4種類の処理の中身について説明します。

クリティカル処理

回避も防御もできません。ダメージの計算は以下の通りです。

+パーツの威力
+「がむしゃら」、「ねらいうち」の場合は、脚部の推進÷2を加算
+成功度÷4。ただし、パーツの属性が重力なら÷4の代わりに÷2

=ダメージ

ここで「重力」属性が「ブレイク」「プレス」と同じ意味でないことに注意して下さい。ダークホール、ブラックホールは「潜入」属性なので通常通り1/4になります。

ダメージの範囲は1〜255です。貫通しなかったり相手が機能停止したりする場合は実際のダメージ表示がこれより低くなることもあります。

防御不能処理

防御ができませんが、回避は可能です。攻撃が当たった場合でも、受けるダメージはクリティカル処理の時より低くなることが多いようです。実際に回避ができるかどうかは、上で算出した成功度と、攻撃を受けるメダの回避度によって決まります。回避度の計算式は次の通りです。

+メダルの実レベル(= ランク×7+レベル)
+脚部の機動
+0〜7の乱数

=回避度

このようにして回避度が算出されます。回避度の範囲は0〜255です。回避判定は次のように行われます。

回避に失敗した場合の、ダメージ計算式は次のようになります。

+パーツの威力
+「がむしゃら」、「ねらいうち」の場合は、脚部の推進÷2を加算
+(成功度 - 回避度)÷4。ただし、パーツの属性が重力なら÷4の代わりに÷2。この値が負になることはない。

=ダメージ

ダメージの範囲は1〜255です。貫通しなかったり相手が機能停止したりする場合は実際のダメージ表示がこれより低くなることもあります。

回避不能処理

回避ができませんが、防御は可能です。防御しても、受けるダメージは通常処理の時より大きくなることが多いようです。受けるダメージには攻撃を受けるメダの防御度が関わります。防御度の計算式は次の通りです。

+「まもる」の熟練度†5
+脚部の格闘
+0〜7の乱数

=防御度

このようにして防御度が算出されます。防御度の範囲は0〜255です。防御判定は次のように行われます。

防御度をもとにしてダメージが計算されます。

+パーツの威力
+「がむしゃら」、「ねらいうち」の場合は、脚部の推進÷2を加算
+(成功度 - 防御度)÷4。ただし、重力パーツなら÷4の代わりに÷2。この値が負になることはない。

=ダメージ

ダメージの範囲は1〜255です。貫通しなかったり相手が機能停止したりする場合は実際のダメージ表示がこれより低くなることもあります。

通常処理

回避も防御も可能です。攻撃を受ける側に有利な分岐であり、よほど成功度が高まっていないと威力以上のダメージを与えるのは難しいです。攻撃を受けるメダの回避度の計算式は次の通りです。

+「まもる」の熟練度†5
+脚部の機動
+0〜7の乱数
-5

=回避度

このようにして回避度が算出されます。回避度の範囲は0〜255です。「まもる」の熟練度が基本になっていて、メダルのレベルは関係ないという部分に気を付けて下さい。回避判定は次のように行われます。

回避失敗の場合は防御判定に移ります。防御度の計算式は以下の通りです

+回避度
+脚部の格闘
+0〜7の乱数
-5

=防御度

このようにして防御度が算出されます。防御度の範囲は0〜255です。防御判定は次のように行われます。

防御度の計算から分かるように、通常処理ではよほどのことが無い限り防御が成立します(例えば、まもるの熟練度0、脚部の格闘0、機動20でも防御度は10〜24)。防御できてもできなくても、ダメージ計算式は共通です。

+パーツの威力
+「がむしゃら」、「ねらいうち」の場合は、脚部の推進÷2を加算
+(成功度 - 回避度 - 防御度)÷4。ただし、重力パーツなら÷4の代わりに÷2。この値が負になることはない。

=ダメージ

ダメージの範囲は1〜255です。貫通しなかったり相手が機能停止したりする場合は実際のダメージ表示がこれより低くなることもあります。

援護機体が代わりに攻撃を受ける場合の処理

防御パーツ(通常防御、未満防御、完全防御)を使ったメダがいる場合、そのメダが代わりに攻撃を受ける可能性があります。援護の成功度は次のように算出されます。

+脚部の格闘
+0〜7の乱数

=(援護の)成功度

このようにして、成功度が算出されます。援護判定は次のように行われます。

援護の成功には、パーツの「成功」の値も「まもる」の熟練度も関係しないことに気をつけてください。格闘の値が0である脚部を使っている場合、援護は常に失敗します。

援護に成功すると「えんごきたいがまもりにはいった!」と表示され、そのメダが代わりに攻撃を受けることになります。通常防御の場合、上で算出された成功度がそのまま防御度になります。

+パーツの威力
+「がむしゃら」、「ねらいうち」の場合は、脚部の推進÷2を加算
+((攻撃の)成功度 - 防御度)÷4。ただし、パーツの属性が重力なら÷4の代わりに÷2。この値が負になることはない。

=ダメージ

ダメージの範囲は1〜255です。貫通しなかったり相手が機能停止したりする場合は実際のダメージ表示がこれより低くなることもあります。

無効化

レーザー、ビーム、ミサイル、ナパーム、ブレイク、プレスの各種攻撃に対して、対応する無効化パーツをつけている場合は、上で算出されたダメージの一部または全部を軽減することができます。無効化が起こると「○○にはきかなかった」「あまりこうかがなかった」などと表示されます。効果の詳細は次の通りです。

どの効果が起こるかは、基本的には、攻撃がレーザーとビーム、ミサイルとナパーム、ブレイクとプレスのどちらであるかによって決まります。

ただし、ここで注意があります。それは、攻撃の「外見」と「中身」が一致していない場合があるということです。サムライのパーツ(サムライブラスト、ビームセイバー、サムライセイバー)は外見上はビームになっていますが、レーザーと同様に扱われるため、光学無効パーツによって完全無効化されます。このような不一致はサムライ以外には見られないようです。

性格による熟練度補正(攻撃)

上述のように、メダルの性格が「攻撃」または「特殊」である場合は熟練度に特別な補正があります。性格が攻撃の場合、この補正は味方のチーム編成——すなわち味方メダの性格の組み合わせ——によって決まります。

メダが一体の場合

性格なぐるがむしゃらうつねらいうちおうえんまもるなおすそのほか
攻撃+12+0+12+0+0+0+0+0

メダが二体の場合

性格なぐるがむしゃらうつねらいうちおうえんまもるなおすそのほか
攻撃攻撃+8+8+8+8+0+0+0+0
攻撃・防御+0+16+0+16+0+0+0+0
攻撃・特殊+16+0+16+0+0+0+0+0

性格の並びは関係しません。「攻撃」「防御」の組み合わせなら、どちらがリーダーでも補正は同じです。

メダが三体の場合

性格なぐるがむしゃらうつねらいうちおうえんまもるなおすそのほか
攻撃攻撃攻撃+8+8+8+8+0+0+0+0
攻撃攻撃・防御+8+12+8+12+0+0+0+0
攻撃攻撃・特殊+4+4+4+4+4+4+4+4
攻撃・防御・防御+0+24+0+24+0+0+0+0
攻撃・防御・特殊+12+12+12+12+0+0+0+0
攻撃・特殊・特殊+16+0+16+0+0+0+0+0

二体の場合と同様に、性格の並びは関係しません。

上のテーブルに従えば、例えば味方が二体でリーダーの性格が「防御」、二体目の性格が「攻撃」の場合、二体目が「ピコペコハンマー」を選択すると、がむしゃらの熟練度に+16の補正が加わることになります。これらの補正は、味方の一部が機能停止してメダの数が減っても、変化しません。つまり、最初の編成が攻撃・防御・防御であれば、残りがリーダーだけになっても攻撃・防御・防御のままであるとみなされます。

なお、この補正を受けるのは性格が「攻撃」のメダだけであるということに注意して下さい。

性格による熟練度補正(特殊)

To do. 性格が特殊のメダルは、ロボトルの戦況に応じていろいろな熟練度に補正が加わる。例えば自チームの総ダメージが32より大きいときに「なおす」の熟練度が+12になる、など。

防御についての補足

防御に成功した時、ダメージを受けるパーツは次のように決定されます。

  1. 頭部以外で、残りHPが最も高いものが選ばれる。
  2. 1に該当するパーツが複数ある時は、右腕>左腕>脚部の順に優先される
  3. 頭部しか残っていない場合は、頭部で防御する。

†1  索敵値は、最初は0で索敵を使うことによって加算されていく変数です。索敵によって具体的にどのくらい増えるのかは解明できていますが、稿を改めて書きたいと思います。

†2  メニューで脚部パーツのステータスを見ても、「隠蔽」という項目はありません。これは一種の隠しステータスのようなもので、「隠蔽」は解析者による呼称です。この値は、このように相手が索敵を使用した時に成功度が上がるのを妨害する働きがあります。他に、自分が隠蔽を使ったときの成功度に加算されることも分かっています。各脚部の隠蔽の値についてはパーツリストを参照してください。インビジボディ、ボディコンシャス等の隠蔽行動の仕組みについても解明は出来ていますが、これも稿を改めて書きたいと思います。

†3  隠蔽値の仕組みは、索敵値と同じです。

†4  対空/対水パーツを付けてさえいれば、他のパーツで攻撃してもボーナスがあることに注意。なお、対空/対水パーツが壊れている場合や相手の脚部が壊れている場合は修正がありません。

†5  補正された熟練度ではありません。メダルの「まもる」の熟練度がそのまま使われます。